「いい母の仮面」は、家族を遠ざける
いい母になろうと、足し算する。
それは一見、いいことのように感じますが、実は家族との距離が広がる危険性を秘めています。
「お母さんなんだから、いつも笑顔でいなきゃ」
「子どもの前では弱音を吐いたらダメ」
「家事も仕事も子育ても完璧に」
「子どものお手本でいなきゃ」
母になると、無意識のうちにいい母になろうと頑張って、たくさんの「こうあらねば」を抱え込んでいきます。そしていい母の仮面をいつの間にか被ってしまう。先ほどお伝えした「こうあらねば」は実際に私が息子が3歳くらいまで被っていた仮面の例です。
どんなに疲れていても「大丈夫」と笑顔でいる。
本当は余裕がないのに「大丈夫」と答える。
でも、本当は疲れてるし、余裕はないし、イライラしてるから、感情と行動が噛み合っていない。家族と本音で繋がることがない。当時の私は「いい母を演じている私」にしか価値がないと思っていました。本当の私はもっとポンコツで、ダメな部分ばかりで、感情むき出しで。きっとこんな私を出したら、みんなに嫌われちゃう。そう思うと、大切な人の前だからこそ、本来の自分が出せなくなっていきました。
そうすると何が起こるか。
家族みんながお互いに気を使うようになって、ギクシャクし始めることに。
本来、家庭って、家族の安全基地。
嬉しいことも悲しいことも、感動したこともイライラしたことも。どんな自分でもさらけ出せる場所だからこそ、エネルギーを充電して、また外の世界に出かけられる。なのに、お母さんが負の感情を全部隠していたら、子どもも出しちゃいけないのかな?と思ってしまう。そして窮屈な場所になる。
家族にとって、自然体で本音でいられる関係性を築くためにも、まずは自分の感情と行動を一致させて、いい母親の仮面を脱ぐ。ここから始めてみませんか?